精神状態と摂食量

社会に身を置いていれば、何かしらの出来事に遭遇する。そして程度はcase by caseですが、係わらざるを得ない時があります。
人間は驚きや焦り等、精神的圧力に対してパワーを費やします。

では、そのエネルギーを、一日の「食」からどれ程分配されているのでしょうか？場合によっては、精神的不安が食欲不振を煽ることになり兼ねません。

食欲は必ずしも空腹感だけに支配されていない。精神的にバランスが取れていることがたいせつ。だって、安心感に包まれると摂食量が上昇すると思うから。それと副交感神経が優位に働いて、消化器官の動きも活発になります。

人と人とのいざこざで使われる、精神的エネルギーの消費量はどれくらいでしょうか？そして朝昼晩の3食に由来する活動エネルギーの内、精神的活動に何割配分されているのでしょうかね？

その時の精神状態は食欲に影響する。気分が上がれば好調だし、下がれば不振に陥る。

人はしばしば「気を使って精神的に疲れた」と思う時がある。そんな時、「やけ食い」は別として、食欲旺盛にはならないですよね。

かたや肉体的疲労感に見舞われていても、食欲は湧いてきますよね。但し、疲労困憊が極限に達したら、睡眠と言う欲が勝るかもしれません。

何らかの理由で近親者と死別する。悲しみをどう慰めればよいでしょうか？

この世に残された者、悲しく寂しい曲を聞くことで慰めになるのか？あなたがこの世から居なくなって残念でならない。うちひしがれる思いに相応しい曲に耳を傾けますか？ショパンの葬送行進曲は有名ですね。いくら空腹でも、この曲では食欲が湧きません。日本に於いて大衆の葬儀といえば、荘厳で静寂の中、しめやかに執り行われます。

映画「ディアハンター」
ニックの恋人と友人達が、彼の葬儀を終えた後に、同じテーブルを囲んで献杯する。気を利かせたつもりのかき卵を、口にする気になれないですよね。
(嗚咽しながらフライパンを握るシーンは映画の演出として絶賛したい)

それとも賑やかな音楽で故人を送るか？明るい気持ちで送ってあげようと思いますか？

アメリカルイジアナ州ニューオリンズには、伝統的なジャズ葬で、賑やかなに故人を送る習慣が息づいています。

生前はあまり良いこと、満足することがなかった。だから、天に召される時ぐらいは、せめて明るい気持ちになってもらいたい。そこで明るい曲調の、故人が好きだった賑やかなジャズの楽曲を、実際に演奏する風習があるとか。

そんな時は食が促されます。お弔いの意味だと納得しつつ、少しづつで料理に手が延びるのです。お酒も嗜むでしょうね。

何はともあれ、周囲からの過度な精神的抑圧は、大なり小なり食欲に影響する。精神的ストレスを抱え込まない考え方が、現代人の健に対する一助になるのかもしれません。