嗅覚で守れ！

視認性の低い、拡散中のたばこの煙。目ではわかり難いけど、何処からともなく漂って来る。臭いをキャッチしたら、瞬時に不快な気持ちに苛まれるのは私だけでしょうか？将来の財産である、子どもたちの健康だけは守るべきだ。
大人たちの責務だと思って止みません。

平穏で健康的な１日を公園で過ごす。子どもを連れたファミリーを始め、すべての来園者にとってたいせつな空間です。

 ある東京都下の公共公園。自治体の実証事業をサポートしています。
ファミリーをメインゲストと想定した釣り堀施設です。約２年を費やし、自治体住民を始めとして、その広域公園に集う方々に楽しんでもらうための試みです。
お陰さまで貴重なご意見、叱咤激励の声をいただいております。

 今、多くの公共施設の敷地内が、禁煙エリアに指定されている。
この釣り堀がある公園一帯も例外ではない。公園出入口や公衆トイレの壁、園内施設の掲示板や施設を取り囲む柵等々に、禁煙を知らせるポスターが貼られている。もちろん釣り場の柵にも、しっかり禁煙が告知されています。

釣り場を眺めるには絶好の場所に、ベンチが設けてあります。ベンチの背もたれにも、ちゃんと禁煙マークのプレートが植え込まれてある・・・。

釣り場にやって来るボクちゃんやお嬢ちゃんから、素直な質問がよく飛んで来る。
そのひとつに「どんなお魚さんが釣れるの？」と、幼気な問いかけを受ける。

だから、どんな魚がヒットするのかを実際に見せることで、より一層興味を持ってもらえればうれしい。ワクワク感を助長するために、オープン前に試し釣りした釣果、錦鯉を水槽で泳がせるようにしている。
健康的な時間を過ごしてもらえることに期待しながら。

錦鯉を水槽に移す作業中、釣り堀一帯が瞬時に不健康な空間となってしまったのです。
たばこの臭いが鼻を突いたのです。

この有害ガスはいったいどこからかやって来るのか？
辺りを見回すと、眺めのよいベンチを陣取っている高齢者２人組に目が留まった。たばこ臭は、彼らから来たものだったのです。何のためらいや申し訳ない様子もなく、横柄と観て取れる態度が目に飛び込んで来たのです。

自らのたばこ嫌いだけではない。これからファミリー釣り場にやって来るであろう子どもたちに、この有害ガスを吸わせてはいけない。

一種の憤りみたいな感情が込み上げてきた。

居ても立ってもいられず、彼らの目の前に歩み寄った。両手の人差し指で❌を作りながら。
近付く私の形相が半端でなかったのか？その一人が私の接近に気が付くと、「わかった。」と一言。そして携帯灰皿を開こうとした。
一旦その場を離れようとした。が、きっと性懲りもなく同じ迷惑行為を、どこかで繰り返すと予感させる態度に引っ掛かった。丁度ベンチの背もたれに貼り付けられた禁煙プレートが目に飛び込んで来た。咄嗟にそのマークを指差し、「LOOK❗」と叫んだのです。

そこで、なぜ英単語を口にしたか？日本語で優しく禁煙をほのめかしても効果は望めそうにないであろう。だから少しでもインパクトを与えよう思っていたのは間違いない。彼らに効き目のある忠告と咄嗟に判断したように思う。
思惑どおり、目を丸くして「わかった❗」を繰り返していました。

子どもたち、パパさんママさんたちを釣り場に迎え入れを開始して間もなく、彼らがベンチを離れたことに気が付いた。正直言って安心した。

年を取ると５感が衰えてくると諦めてはいけません。
この世で生きている自分の価値を、自分自身が守りましょうよ。子どもたちの将来を憂うのならば、鼻を臭いのアンテナからレーダーに変えるくらいの気持ちでいたいのです。