３つの『密』

新型コロナウイルスの「感染爆発・重要局面」に差し掛かった頃のお話しです。
２０２０年３月２３日、東京都から「NO! ３密」が発表されました。

• 換気の悪い密閉空間
• 多くの人が密集する場所
• 近距離の会話での密接場面      を避ける行動を取ろうと提唱していました。（＊１）

この都民への呼び掛け前の２０２０年３月１８日の読売新聞に、新しい喫煙所を新宿駅近辺に設置する記事が載っていました。その頃、新宿駅西口の百貨店前などにある（宝くじ売り場の横）、喫煙所の前を通り過ぎた方も多いと思います。

喫煙を快く思っていない通行人から苦情が寄せられ、現在２箇所ある喫煙所を集約して、別の場所に移すという計画でした。
新設する喫煙所を約１１０㎡，２メートル以上の壁で囲むことで、けむりが外に流れ出るのを防げるという。天井は設けないというのですから、ほぼ確実に外部にけむりが漂うでしょう。

更に同紙３月２７日の地域面によると、渋谷駅前にコンテナ式に改修された喫煙所が設置されたそうです。

そもそもたばこは健康に良くありません！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本における生活習慣病に罹るリスク要因のTOP３は、① 高血圧　➁ 運動不足　そして➂ 喫煙です。
これらの内、呼吸器疾患になるリスクが一番高い要因は喫煙なのです。
呼吸器疾患の中でCOPD（慢性閉塞性肺疾患）は、別名「たばこ病」とも言われているのです。（＊２）

たばこを吸う人は、ニコチンやタールが含まれているけむりを、自分の肺に流し込むことによって、肺にダメージを与えてしまう。自業自得。
吸わない人は副流煙（受動喫煙）による煙害を被る。間接被害。

今回の新しい喫煙所を設置する理由に、非喫煙者を守る措置と推察される。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しかし、全世界が新型コロナ肺炎の危機に直面している状況下に於いて、感染の危険度を低くするどころか、助長しかねない場所をわざわざ増設すべきなのでしょうか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今回新設＆改修が報道された「喫煙所」は、正に「３密」の典型的場所だと思えて仕方がありません。

潜水艦の中で自衛隊員たちが業務を遂行している様子をテレビで見ました。
一度出航したら数か月帰還しない潜水艦の密閉空間で、感染症に侵されたらたいへんです。艦内は新宿駅前で見掛けた様子どころではない。けど「３密」に成らざるを得ない環境下なので、感染伝播の予防策として、全乗員にマスクの着用を義務付けていたのです。（＊３）

以前イタリアやスペインの飲酒に絡む慣習についてお話ししました。

【関連コラム；慣習的なチョイ飲み】

新型コロナウイルス感染症の爆発的流行で、非常事態に陥っていた頃にこう思った。
健康に良い材料で作ったお酒を、リラックスしながら適量に飲むことができる場所が再起して欲しいことを。

それとは真逆に、現存している「３密」の喫煙所が『立入禁止』になることを願っていました。　　なのに、青パトが「３密」の危険を呼び掛けながら走り過ぎる脇に喫煙所があるとは、甚だ無神経と言わざるを得ない心境だった。今でもそう思っています。

【参考】
（＊１）東京都公式ホームページ 若者向け新型コロナウイルス感染症に関するメッセージ（２０２０年３月２６日）　　　　　　　　　（＊２）健検公式テキスト増補改訂版　やっぱり禁煙　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＊３）2020年3月27日 読売新聞　政治面