不 健 康 ポ イ ン ト

日常の買い物でポイント付与は当たり前です。マイナポイント事業等々、なんでもかんでもポイントポイントですよね。運転免許の違反累計点のように、喫煙者に要らない点数を付ける。たばこを買ったらポイントが加算されることで、喫煙を控えるように誘導できないものでしょうか？

 平成２５年度から始まった国民の健康増進についての基本指針「健康日本２１（二次）」。
この頃から各企業や自治体などで健康維持・増進企画の取り組みが行われています。その一環として「健康ポイント」とか「健康インセンチブ制度」などと銘打った仕組みやサービスを見たり聞いたりした方も多いと思います。だれでも気軽に取り組めるウォーキングなどからだを動かせば、スマホのアプリを使って参加者にメリットを与えるわけです。
人は自分に得だと思わないと、なかなかその気にならない。新しい取り組みについては尚更です。特に健康や体力に自信のある内は、生活習慣病の予防なんてそっちのけと思う人もいるでしょう。
減塩や禁煙、有酸素運動は、生活習慣病を防ぎ、不健康になりがちな将来に向けてメリットがあります。なのに目先の欲望、特に喫煙が常習化している人がいます。だったら、自分が損すると分かったら、不健康な行動を止めるのではないか？行く行くは損することを事前に予告して、嗜好の改善に努めるように仕組んだら如何でしょうか？

 以前、大阪のK大学で健康キュレーションのハンズオン・セミナーに参加しました。
そこで私は健康ポイントならぬ、【不健康ポイント】を新設するアイデアを提案。グループのメンバーさんと一緒になって肉付けしました。もちろん実現には高いハードルがあるに違いありません。だけど「得する」から「損する」逆転の発想は如何か？と思ったのです。

たばこの自販機は全て撤去して薬局でのみ販売する。そして購入する時は必ず保険証をカードリーダーにかざさなければならない。たばこを購入するたびに不健康ポイントを加算していきます。プラスされたポイントによって、年間の国保や社保の料金を高くする。又はたばこが原因と思われる病気（肺がんやCOPDなど）の治療費の自己負担率を上げるのです。
若者がたばこに興味を持ち始めて吸うようになるきっかけは、家族など周囲の大人たちがその様子を見せることが上げられる。（＊）私に言わせればニオイを漂わせるだけでもダメです！たばこのニオイに鈍感になればなるほど、受動喫煙していても何も感じなくなってしまいます。自らたばこを吸わない子どもが、家族の誰かから副流煙の被害を受ける可能性も高いはずです。（君子危うきに近寄らず）
だから、子どもを持つ親に対しては、より多くの不健康ポイントを科すのです。その代わりに一定期間にたばこを購入する数量が減ったり禁煙外来を受診した場合など、禁煙の努力の報酬として、ペナルティを軽減してあげるのです。

新型コロナによって日本の非効率的な因習が暴露されました。国はデジタル化に躍起になっています。その証拠にマイナンバーカードで一元管理する動きが見て取れる。健康保険証として併用登録させたいのも然りです。だから不健康ポイントと保険料、病気に罹った際の医療費とを紐付けできるようなシステムを構築できると思うのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【参考】（＊）2022年7月7日読売新聞　解説面