魚釣りには多くの学習要素が隠れていると思うコラム

お魚さんとの綱引き その2

錦鯉から学ぶ、歯,舌,口腔のたいせつさ

コイ目の魚類には人と同様の「歯」はありません。咽頭(口の中と食道の間)に「咽頭歯」という特殊な器官を持っています。のどの奥に付いているのです。(*1)
そして、柔軟で摂食の際、複雑な動きで摂食嚥下を助けてくれるような「舌」も持っていません。(*2)

 今まで多くの針はずしをお手伝いしてきて、この咽頭歯や舌に相当する隆起部(ほんの小さな軽石に見えた)を何度も目にして来ました。さらに、その咽頭歯を使って、エサを体の中に吸収しやすいように取り込んでいる。そんな様子も観察できました。

この咽頭歯は、人で言う「奥歯」に似た役目を持っているようです。
のどの奥でエサをすり潰していると推察できる様子はよく分かります。くちびるに当たる薄い口先をラッパのベルのように広げて、のどの奥に力を入れていると思えるしぐさが観察できます。

ちょうど人で例えるなら、ヨーグルトやプリンなどやわらかい食品を、上あごに舌の圧力を使ってヨーグルトやプリンを押し潰している感じに思える。そんな口からのどに掛けての動作が見て取れます。
えら呼吸のための、お口パクパクとは違うので、簡単に見分けが付きますよ。
エサのうどんを口に含んだら、のどの奥ですり潰してお腹に送る。ご承知の通り、うどんは柔らかいから、楽にすり潰し送り込みやすいでしょう。

 面白い場面はホールコーンを食べ終えた時にやって来ます。
ご承知の通り、うどんよりもコーンの方が硬い。錦鯉にとって、うどんに比べればコーンの方がすり潰し甲斐があるのでしょう。それくらい長い時間を使ってすり潰しています。
1粒のコーンの中身をお腹に送る。その時、粒の薄い皮(果皮)は要らない。そのうちにプッと口から吐き出すのです。コーンの中身が無くなった、透明な膜が水中に漂うので手に取るように観察できます。

うどんもコーンも咽頭歯を使って、のどの奥でスリスリしたい。上手くすり潰すには、咽頭歯に対してエサの座りを良くしたい。
要するに食べやすいように、エサをポジショニングしたいわけ。お魚さんもそう思っているに違いない。

人間もそうですよね。口に入れた食べ物を飲み込むタイミングを図るには、適度に噛砕いてすり潰す必要があります。十分な咀嚼を行うには、食べ物が口の中に入った時の噛み易い位置や、相応の形状があるものです。

この食の取り方を、そっくりと錦鯉に当てはめるには無理がある。
だって、錦鯉は摂食に係わる器官の構造や動きが単純だから。ヒトの方がはるかに複雑な手順、動作、段階を経て、口から食料をお腹に送っているのです。

そしてもうひとつたいせつなことは、錦鯉には人と同じ機能を持つ「舌」がないことだ。摂食の際、多機能な舌に頼ることができないのです。

水槽で泳いでいる錦鯉にエサを与えてみる。早くエサに気付いてもらえるように、タイミングに合わせて、錦鯉の鼻先に沈むようにポトンとエサを落とします。
口に入れてくれると、あぁよかったと思う。
ところが時々プッと吐き出すことがある。それから再び吐き出したエサをパクっと行って、咽頭歯を使った“スリスリ”が始まります。ようやくひと安心します。この安堵感が欲しいから、子どもたちは直ぐに釣ったお魚さんにエサを上げたくなるのですね。

きっとこの口からのエサの出し入れの動作は、口の構造に合った、エサの向き(座り)が悪いから。口に入れ直すためだろうと推察しています。
錦鯉にとって、柔軟な動きが可能な口腔の機能や舌がないための、苦肉の策なのでしょうね。

【関連コラム】 咀嚼と嚥下に重要な舌の役割

上述の解釈は、水面に浮かぶ釣り具の「浮き」の動きに反映されるでしょう。これからもっと観察力を養い、発揮しましょう。
そうすれば釣り堀でのチョットしたアドバイスとして生かせそうです。

 人生最後まで自分の口を上手に使って食事したい。それは歯と舌の機能、そして口全体の柔軟な動きに支えられているのです。だから歯・口腔の健康を守るのです。

 引き続き「お魚さんとの綱引き その3」も宜しくお願いします。

 

                                     【参考】
                                      (*1)国際錦鯉普及センター
Webサイト
                                      (*2)学研キッズネット

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代表取締役のプロフィール

健康わくわくサイト管理者の岡本です。

資格・認定

★ 1986年 中学校教諭免許(理科)取得
  第18382号
★ 同年 高等学校教諭免許(理科)取得
  第19458号
★ 2015年 MDIC認定取得
  第MDIC020281号

★ 2017年 健康マスター(エキスパート)認定取得
  No.E0100390
★ 2018年 高度管理医療機器等販売業賃貸業
  第4502291800001号

★ 同年 動物用管理医療機器販売・貸与業届
     出

★ 2019年 Tokyoヘルスケアサポーター養成講座修了
★ 同年認知症サポーター養成講座受講
★ 2020年松本地域健康産業推進協議会参加
     企業認定取得

★ 2020年2月「健康マスター・エキスパート」及び
   「健康マスター普及認定講師」資格更新認定

★ 2021年1月【スポーツエールカンパニー
  2021】認定番号;2021371 取得

★ 2021年12月1日【令和3年度東京都スポ
     ーツ 推進企業】に認定
     一覧表番号;164

★ 2022年7月 《西東京市健康デジタル指導士》
 認定取得

★ 2022年12月1日【令和4年度東京都スポ
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★ 2023年12月1日【令和5年度東京都スポ
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★ 2024年2月1日【健康マスター普及認定講師更
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