同じ体勢のままで居ること

昭和30年代に生まれた私も、最近からだのこわばりを感じる今日この頃です。

こたつに当たりながらテレビを見たり、家族との会話で長時間座っている時があります。冷蔵庫から飲み物を取り出そうとして立ち上がる時･･･、結構意を決する思いで「よっコラショ！」と声を出しながら立ち上がるのです。寝ている体勢から起き上がるには、かなりの覚悟です。夜トイレに起きる時なんかは、腹をくくるって感じです（笑）。それだけ筋肉が柔軟に延び縮みしなくなったり、関節の可動域が狭くなってしまったのかも知れません。身体的に年を取るのは、こういうことを言うのでしょうね。

高齢者が要支援・要介護になる原因のトップは「骨折,転倒などの関節障害」で、いわゆるロコモティブシンドロームです。（出典；厚生労働省 2016年国民生活基礎調査）​

私自身上記の現状ですから、もし私が手術～入院になったら、どうなってしまうのだろうと心配になってしまいます。そこで最近はロコモ予防も兼ねて早期にリハビリテーションを開始するようです。　　　　　　実は私の母は数年前から脊柱管狭窄症という、腰にたいへんな痛みを伴う病気を患っています。更に足の付け根も痛み出して、人工股関節に取り換える手術を受けたのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　その際も手術の翌日から起き上がってリハビリを開始したのです。むかしは手術した後は安静にしているのが当たり前だったのですが、寝ているばかりだと、他の部位にも悪影響を及ぼしてしまうのでしょう。

以前「予防医療におけるリハビリテーションの重要性」のコラムで、がん，呼吸器疾患，糖尿病のフレイル対策についてお知らせしました。理学療法士の先生が各疾患に合わせたリハビリテーションをサポートしてくれるのです。

昨年12月10日に「循環器病対策基本法」が可決･成立しました。今後心臓疾患に対する教育，予防などでさまざまな取り組みが推進されるでしょう。その活動には「心臓リハビリテーション（以下心リハ）」というプログラムが重要になっています。

心臓病の患者さんは再発～再入院を繰り返していく内に、徐々に様態が悪化していくのを予防するために、運動療法や薬物治療などを長期にわたってサポートする計画が組まれています。　　　　　　　　　　　　（参考；H31年3月21日開催日本学術会議公開シンポジウム　これからの多職種介入と心臓リハビリテーションの提供体制 ）

心不全の患者に心リハを実施した群とそうでない群を2年間追跡観察したところ、約3分の1にあたる1,000人の方が再入院されたのですが、心リハを受けている患者さんは21%低かったという結果だったという。　　（参考；H31年3月21日開催日本学術会議公開シンポジウム　多職種介入･心臓リハビリテーションの実態と医療経済的効果）

心臓に不安のある患者さんにとって、この心リハは健康寿命の延伸のためにも力強い味方なのですね。