人から気力を授かる方法

人に自分の思いや考えなどを伝えるには、口で言ったり文字に変えたりします。
どちらの方法も正直な思いをしっかり認識してもらうためには、的確な表現、その場面に合った語彙力が必要です。
更に話す内容に興味を持ってもらうためにも、話術や文才も必要です。難しい技だと常々感じています。

意志疎通の助けとなっているのが顔の表情です。
話し言葉と表情は相乗作用があります。

• 難局を乗り切らなければならない商談、たいせつなものを失くしてしまった時におまわりさんに尋ねる時。
  ⇒ことば少ない中、一見すると無表情な困り顔。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⇒真剣でわらをもつかむ思いが伝わって来る。
• 友だち同士の言い争いの場に居合わせて、先ずは仲裁に入る時。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⇒口角を少し上げて微笑みながら話す。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⇒昂った気持ちを静めて険悪なムードを払拭したい、円満を望む気持ちが行き届く。
• 相手に対して異議があったり、気に入らない時。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⇒口を真一文字に結ぶ。のどまで言葉が出ているような、切羽詰まった表情。　　　　　　⇒不満な気持ちが漂って来る　　　等々。

マスク顔の人から突然に、道に迷って場所を尋ねられるおまわりさん。　　　　　　　　　　　　いつもお会いする場所が介護施設だけなのに、街中で偶然にお見掛けして、声を掛けられたご高齢のおばあさん。
たまたまエレベーターで乗り合わせた、同じ棟に住んでいる子ども。等々

程度はそれぞれでも、どのケースでも話し掛けられると身構えてしまいませんか？
反射的に警戒心が立ち上がり、緊張してしまいます。

さらに、コロナ禍の頃のこと。
マスクで表情が分かり難くい。だから自分の思いの丈を訴える（弁護する）ことができないとの理由で、法廷でマスクの着用を拒んだ弁護士がいたという。（＊）
又、健常人から障害者に目を向けてみると、手話を駆使して意思疎通を図っています。　　　　　　　　　　　視覚言語は顔の表情や口の形が真意を伝えるために必須です。

【関連コラム】　声なき口の動き　　　　

「With コロナ」によるソーシャルディスタンスと、スティホームによる人間同士の物理的隔たり。マスクの着用によって心理的孤立を顕在化させないことを学んだように思う。
新型コロナの感染拡大を予防することはたいせつです。けど、コロナ禍前のような気力を授かり、休養につながる人と人との会話ができないものか？と考えてしまいます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【出典】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＊）2020年6月3日 読売新聞 社会面