ふとんの天日干し

 冬の時期、関東地方は晴れて乾燥する天気が続きます。快晴の青空の下、日当たりの良いベランダでふとんを干します。
無心になってふかふかのふとんに包まれると、直ぐに眠りに落ちるのです。寝付けなくて悩むことなどないのです。（眠るために寝床に就く）

 眠っている間に多少なりとも発汗しているから、ふとん綿は汗を含んでいる。けど太陽から降り注ぐ紫外線が衛生面をカバーしてくれます。太陽光線を浴びて湿気を飛ばして乾燥、ふっくら感も蘇ります。
それともうひとつ。ふとんから漂ってくる匂いが、何とも言えない安堵感を醸し出してくれるのです。幼少の頃に祖母や母親から授かったような、幸せな気持ちにさせてくれる。

だから眠りに落ちるのも早いのです。このホッとする感覚は、きっと心身の健康を養ってくれていると思う。だって加齢の影響（？）による夜間覚醒や、もともと冷え性な私でさえも、一度も目を覚ますことがないのだから。
太陽の光は安心できて平和な気持ちにしてくれる力があると実感するのです。
（太陽系に暮らしているのだから）

 生前私の祖母が言っていた。「お前はふとんに上手く潜るなぁ。頭だけちょこんと出して、まるでカメみたいだな。」と。今でもそうなのです。（笑）
確かに自分にしっくり来る毛布やふとんに包まり方、寝床への収まり方がある。寝床にちゃんとからだを収めることができれば、一日のご褒美だとしみじみ思うのです。干したふとんで床に就くと、天に登った家族からの恩恵とも取れる、太陽の恵みをもらっているように思う時があります。学生時代に友人の実家に遊びに行った時のこと。寝室に並べてくれたのは「掻巻き」でした。綿が入った厚めの着物風の夜着。私にとっては珍しかったのですが、お世話になったご家族のあたたかい想いが伝わって来たのを憶えています。その掻い巻きからも、太陽から受け取った安堵の匂いがしたのです。

まるで映画「ポルターガイスト」のクライマックスシーンのようです。霊界に引き込まれてしまった、絶体絶命の女の子キャロルアン。土壇場で家族の元に連れ戻してくれたのは、物語の序盤で天に召されたおばあさんだった。日の光に後押されるかの様に、微笑みながら少女を家族の元に送り届けてくれましたね。

空襲警報がいつ鳴るのか？不安に苛まれる事もなく、地下シェルターの生活から早く抜け出て欲しい。そして日の光・安心の恵みに、一刻も早くウクライナの人々が包まれますように・・・。