たばこのイメージダウン

私の自宅近くに雑木林があります。人の往来が多い道路沿いにあって、最寄り駅に行く途中でよく通り過ぎます。あまり所有者の手が入っていない様子で、その都度ごみの散乱が気になっていました。ペットボトルやスナック菓子の袋は元より、ブラウン管や内部基盤がむき出しのテレビまで不法廃棄されていました。　ところが先週その雑木林がきれいに清掃されているではありませんか！　　　　　　　　　　　　　　　　最近片付けたのでしょう。自治体指定のゴミ袋いっぱいにごみが詰められていて、幾つも並べてありました。きっと次回のゴミ収集日にでも出すのでしょう。妻もそのことに気付いていたらしく、その話題で気分もよくなって、一家団欒を過ごすことができました。

そんな矢先、地元高校生の清掃活動についての記事を読みました。地元自治体からの刊行リーフレットによる告知でした。資源物の戸別収集の効果が表れていることと併せて、地元を流れる川の清掃活動の報告が載っていました。拾い集めたごみの中身は、ペットボトルはもちろん空き缶やお惣菜が盛られていたパックに混じって、たばこの吸いがらやライターといった喫煙に関するゴミもあったとか。目に届かないところにポイ捨ての証拠があるのですね。ずいぶんむかしに街の美化啓発活動の一環として、テレビCMや街のポスターで「スモーキングクリーン」というキャッチフレーズを見聞きした憶えがあります。　　　　　　　　　昨年は豪雨の予報が各地に出されました。その都度、団地などの集合住宅界隈では、住民の方々による清掃活動をよく見掛けました。枯葉やゴミを撤去して、側溝から下水道に雨水を流れ易くするためです。道路の冠水に止まらず、住宅の浸水へと被害が拡大するのを防ぐのです。この場面でも収集されたごみの中にたばこの吸いがらやひねり潰したたばこの空き箱などがあったに違いないでしょう。

むかし悪評が高かったニューヨーク市地下鉄の「落書き」。1994年以降、ニューヨーク市の地下鉄の落書きを徹底的に排除する条例を施行しました。当時のジュリアーニ市長が断行した政策で、殺人や強盗といった重大犯罪までもが減少しました。軽犯罪を取り締まることの重要性の証です。

このことから分かるように、ポイ捨てという不躾で小さな失態を慎むことで、将来に悪い付けを回さずにすむのです。たばこの弊害は副流煙（関連コラム；健康増進法改正案の注目点は「受動喫煙対策」喫煙による金銭と時間の浪費）や誤飲（関連コラム；こどもの受難）だけではないのです。　　　　　　　喫煙者自らによるたばこのイメージダウン。いっそのこと、たばこ止めませんか？

むかし日本建築学会学術大会に参加したことがあります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　生活環境を建築環境工学などを駆使して、より良いものにするために大切な項目がありました。　　　　　① 音　② 水　➂ 熱　➃ 空気　➄ 光･色彩　そして⑥ 廃棄物　です。　　　　　　　　　　　　　　　　　廃棄物、いわゆるごみ問題も、より良い地球を次の世代に残すために解決しなければならないのです。　　先日SDGｓ（持続可能な開発目標）に関連した取り組みに係わった企業の会長さんから、ごみ削減の効果が表れている実例を聞きました。株式会社SOilyも微力ながらご協力したいと思っています。

　　　　　　　　　　　　　　　                   参考；西東京市ECO羅針盤　　編集･発行 西東京市みどり環境部ごみ減量推進課