軽度認知障害(MCI)の時から運動習慣を身に付けると、認知症に対する予防効果が望めます。 更なる効果が期待できる運動にデュアルタスク・トレーニングがあります。 デュアルタスク(2種類の作業と訳しますが)とは運動する際に脳も一緒に使うことです。 踏み台や階段など、段差を上り下りしながら簡単な計算をするトレーニングです。みなさんもテレビなどで観たり聞いたりしたことがあると思います。科学的に裏付けされている予防法なのですが、もともと計算が苦手な人もいるし、果たして楽しみながら継続できるか?疑問に思ってしまいます。 楽しくなければ続けることはできない。続けなければ効果は期待薄です。
群馬県の高崎市では認知症予防プログラムの一環で ≪ひらめきウォーキング教室≫ が実施されています。『楽しく歩く習慣を身に付けましょう!』という目標に向かって工夫を凝らしている教室です。そのひとつに「ひらめきウォーキングマップ」を教室の参加者に配っているそうです。このマップには高崎市にちなんだ名所(高崎白衣大観音)や特産品(高崎だるま)、地元の大規模な行事(高崎花火大会)などを人生ゲームの様に配置して、歩いた分だけ駒を進めましょうというマップです。
この「ひらめきウォーキングマップ」は地元ならでは手作り感や温かみを感じます。 楽しみながら歩くためのユニークな仕掛け(東海道五十三次や宇宙戦艦ヤマトのゴール地点のイスカンダルをめざす)の歩数計がありました。これらは歩くことを習慣にしてもらいたいという気持ちから生まれたアイデアです。 また同県桐生市の介護老人保健(老健)施設では、入所者の認知症ケアで調理活動を取り入れたそうです。群馬県はそのむかし、自家製うどんを食べる習慣があって、各家庭でうどんを打っていたそうです。うどん打ちの習慣が盛んだった頃、家事のお手伝いしていた高齢者に、その行動をふたたび実践してもらうのです。もちろん各入所者の認知症の進み具合を考慮に入れて、可能な作業で参加してもらうのです。うどん粉をこねるところから始まって調理して食べるところまで、参加者がどの段階で係ってもよい。とにかくみんなで楽しんでもらうことが最も大切なプログラムなのです。 大久保流手打ちうどんを打って料理を完成させるまで、いろいろな作業がありますよね。丸く延ばしたうどんを細く切る作業に包丁が必要ですし、麺を茹でたり、だしつゆを作ったりするのに火を使います。不慮の事故などが危惧されたそうですが、各人が担当した作業を問題くこなしてくれたそうです。作業の手際の良さを褒めたり、若かりし日々を呼び起こす会話が会場にあふれていたのではないでしょうか。ほのぼのとした様子が目に見えるようですね。高齢者の方々が終戦後に苦労して行ってきた生活習慣が、しっかりと頭のどこかに記憶されている。
要するにむかしの記憶を蘇らせながら運動することが、上述のデュアルタスク・トレーニングになり得ると思いました。私事ですが青梅マラソンで蘇った記憶(関連コラム;バイオフィードバック的訓練)や、ごはんが炊ける時のにおいによるプルースト効果(関連コラム;ごはんが炊けるにおい)についてお伝えしました。
今年元旦に自宅近くの都立霊園をジョギングしていた時に見掛けた光景。 あるお墓の前でキャンプで使う折り畳み式の椅子に座って、ご婦人たちが談笑していました。各々の手にはカップを手にしてお茶しているのです。 それを見掛けた時閃きました! 確かにデュアルタスクトレーニングは日常生活の習慣としての予防法で、「お墓参り」は日課にできない。だけど一石三鳥、要するにトリプルタスク・トレーニングになること・・・。 少しオシャレに身支度して出掛けると気が晴れます。お墓で眠っている故人はもちろんですが、かわいがっていたペットを偲びつつ、その頃の逸話を声に出して話してもらうのです。気持ちがこもった相づちだけでも、話してくれた人に安らぎのひとときを与えられるように思ったのです。 むかしなつかしい記憶を思い出す(脳の活性化)
+ それを話題としておはなしする(オーラルトレーニングと腹筋運動)
+ お墓参りのウォーキング(有酸素運動)
= トリプルタスク・トレーニング
このように運動しながら脳を働かせることって他にもあるはずです。 お墓参りで歩くこと,思い出すこと,おはなしすることに満足感が湧いたら、独自のデュアルタスクトレーニングを実行できるかも知れません。(関連コラム;スマートホンは携帯電話の一種です)
参考;2018年11月17日開催 認知症ケア資質向上のための研修➁ 地域・住宅・施設における認知症ケアと関わり
訪問看護ステーション 花あかり 村井達彦先生 聴講内容より
健康わくわくサイト管理者の岡本です。
★ 1986年 中学校教諭免許(理科)取得
第18382号
★ 同年 高等学校教諭免許(理科)取得
第19458号
★ 2015年 MDIC認定取得
第MDIC020281号
★ 2017年 健康マスター(エキスパート)認定取得
No.E0100390
★ 2018年 高度管理医療機器等販売業賃貸業
第4502291800001号
★ 同年 動物用管理医療機器販売・貸与業届
出
★ 2019年 Tokyoヘルスケアサポーター養成講座修了
★ 同年認知症サポーター養成講座受講
★ 2020年松本地域健康産業推進協議会参加
企業認定取得
★ 2020年2月「健康マスター・エキスパート」及び
「健康マスター普及認定講師」資格更新認定
★ 2021年1月【スポーツエールカンパニー
2021】認定番号;2021371 取得
★ 2021年12月1日【令和3年度東京都スポ
ーツ 推進企業】に認定
一覧表番号;164
★ 2022年7月 《西東京市健康デジタル指導士》
認定取得
★ 2022年12月1日【令和4年度東京都スポ
ーツ 推進企業】に認定
★ 2023年12月1日【令和5年度東京都スポ
ーツ 推進企業】に認定(3年連続で認定)
★ 2024年2月1日【健康マスター普及認定講師更
新eラーニング】修了(2026年迄資格延長)
大学卒業後、臨床検査会社,医療及び健康機器輸入販売会社と、一貫してヘルスケア業界に携わって参りました。
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